矢野さん
――――――――――
――――――
それからは仕事の話などをしていくうちに皆で盛り上がり、いつしか矢野との険悪ムードはなくなっていった。
気づくと時計の針は夜の11時を指している。
「そろそろお開きにしようか、私達明日も仕事だから」
祐子さんが店の時計を見てそう言うと帰り支度を始めだす。
「そうですね。じゃあ私お手洗いに行ってきます」
矢野は席をたつと店の奥へ向かった。
矢野がトイレに行っている間に会計を済まし外で待っていると――。
「俺祐子さん送って行くわ」
小さな声で俺に赤崎が恥ずかしそうに言うと祐子さんに近づいて話をしている。
話がついたのか「じゃあ橘くんごちそうさま。矢野さん宜しくね、おやすみー」と祐子さんが振り返り俺にそう言うと赤崎と二人歩いて行った。
頑張れよ赤崎……。
と、応援しつつもこれから矢野と二人きりなる自分に妙な緊張が走る。
流石に夜も遅いし、面倒だが矢野を送っていくか……。後で祐子さんに何か言われても嫌だし。
その時、後ろのドアがガラガラっと開いた。
――――――
それからは仕事の話などをしていくうちに皆で盛り上がり、いつしか矢野との険悪ムードはなくなっていった。
気づくと時計の針は夜の11時を指している。
「そろそろお開きにしようか、私達明日も仕事だから」
祐子さんが店の時計を見てそう言うと帰り支度を始めだす。
「そうですね。じゃあ私お手洗いに行ってきます」
矢野は席をたつと店の奥へ向かった。
矢野がトイレに行っている間に会計を済まし外で待っていると――。
「俺祐子さん送って行くわ」
小さな声で俺に赤崎が恥ずかしそうに言うと祐子さんに近づいて話をしている。
話がついたのか「じゃあ橘くんごちそうさま。矢野さん宜しくね、おやすみー」と祐子さんが振り返り俺にそう言うと赤崎と二人歩いて行った。
頑張れよ赤崎……。
と、応援しつつもこれから矢野と二人きりなる自分に妙な緊張が走る。
流石に夜も遅いし、面倒だが矢野を送っていくか……。後で祐子さんに何か言われても嫌だし。
その時、後ろのドアがガラガラっと開いた。