御曹司さまが放してくれない!!
長さの違うブランコ。
手前が短くて
奥がやたら長い。
このブランコには、なぜか見覚えがあった。
御影さまは手前のブランコ、つまり短い方に腰掛ける。
そして、わたしにも腰掛けるよう目で合図する。
仕方ないので、腰掛けてみるけど、
鎖が長いということは、地面との距離が異様に近い。
足しんどいんだけど・・・・
「今の俺らには、こっちのブランコの方が座りやすいな。」
と言って立ち上がり、譲ってくれた。
「いいですよ!わたし、立ってますから。」
「俺は、こっちに座る。」
御影さまはブランコをかこっている柵に腰掛けた。
なんか、長い足を自慢された気分になっちゃうわたしってひねくれてるのかもしれない。
「ど、どうも。」
でも、口にはなにも出さずブランコに座らせてもらった。