恋なんて、できないと思ってたんだ。
ヒュウガは、悲しそうな表情をしていた。


「バレちゃいましたね…。 そう、『僕』は作られた性格。これが本当の『俺』。みんなの理想を押し付けられた、『俺』。」


悲しそうな、泣きそうな表情で笑うヒュウガ。


僕は、見てらんなくなって、思わず抱きしめた。


でも、僕の低い身長じゃヒュウガには到底届かなくて。


チッ、僕は、ヒュウガを慰めることもできねぇのかよ…。


「アキラさん…。」

 
  「アキラでいい。」


「…アキラ。…ごめんな。ありがと…。」


少し見上げると、ヒュウガは少し安心したような表情をしていた。


「なぁ、アキラ。俺の過去、少しだけ、聞いてくれねぇ…?」


  「…少しじゃなくていい。おめぇの気が済むまで話せ。僕は、ずっと聞いててやるよ。」


ヒュウガはまた悲しそうに微笑んだ。


「ありがとう。じゃぁ、話すな。」


ヒュウガは、辛そうに話し始めた。
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