恋なんて、できないと思ってたんだ。
取り敢えず、僕は座った。



ここ最近、全くまともな食事が取れていない気がした。



学校ではあいつらが心配するから、弁当を作って持っていく。



でも、きっとあいつらのことだ。



気づいてるんだろう。



優しい奴らだから、言わないでいてくれてるんだ。



…本当に、過去にとらわれてばっかだよな。


情けなくなった。



『彼』なら、なんて言う?



僕と同じ、赤いピンをした、『彼』。



いつ買ったんだったけな。



いつか。おそろいのを買ったんだ。



それは、外せないでいる。


それを外したら、本当に『彼』との関係がなくなってしまうんじゃないかと。



怖くなったから。
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