恋なんて、できないと思ってたんだ。
ニコリと作り笑いを見せて去っていくヒュウガ。



「大変だねぇ、ヒュウガもぉ。」



「少し、可哀想だわ。」



「…ウチらと同じ人種やからなぁ、…。」


  
  「………。」



僕は、黙っていた。





ヒュウガは、それでいいのか?





僕には、わかんねぇ。でもさ。






もうちょっと自分なりに生きてもいいんじゃねぇの?





自分を見せて生きてもいいんじゃねえの?





今の『僕』でいてツラくねぇの?
< 29 / 53 >

この作品をシェア

pagetop