恋なんて、できないと思ってたんだ。
…それから、何事もなく一週間ほどが過ぎ去った。




ヒュウガは、まだ『僕』に囚われたまま。




学校も、一緒に行くのは怪しまれるから無理。



僕は、まだ感情に気づかぬふりをしている。




…残酷な現実は、続いていた。




僕は、ヒュウガを隣の席から見つめる。




ヒュウガは振り向いてにこりと笑った。





…その時、


ヒュウガの笑顔が見られるなら、それでいいと思った。





迫ってくる


過去という檻に


気づかずに。
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