恋なんて、できないと思ってたんだ。
「でさでさぁ~‼ きのぉねぇ~♪」


僕の横で話しながら、机に手をつくヒナ。


と、その時、ヒナの腕に当たったシャーペンがころりと音を立てて落ちた。


「うわぁ~!ごめぇ~ん(泣)」


ヒナが謝ってくる。それはいいけど、僕のシャーペン・・。


するとユキノが誰かに声をかけてくれた。


「ごめんな、えっと、月宮君?シャーペン…とってくれへんかな?」


遠慮がちに話すユキノ。そこに、僕の耳に飛び込んできたのは、女みたいな声だった。


「えっと、これですか?どうぞ!」


たっけぇ声。ユキノの方にシャーペンを向けているソイツを見て、僕はびっくりする。


整った顔立ち。パッチリした二重の目。フワフワの薄茶色の髪。白い肌。 

・・・どっからどうみても女だろ、これ。


「い、いやあ、ウチじゃなくて・・・。アキラ。」
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