電車物語‐名古屋行き‐
乗車‐Ⅰ‐

少女の場合



少女は考えていた

どうしたらいいのだろう
どうしたら今の状況を変えられる?

どうしたら…父を取り戻せる?


「あーっ!もぉ!!」


白いブレザーに紺色のリボン、
金色のステッチが入ったブレザーと同色のプリーツスカートは
夜の街にあまり似つかわしくない

(悩んでも仕方ないや、
とりあえずお父さんに会おう)

彼女は一度だけ振り返ると
わき目もふらず切符売り場へと向かった

現在の時刻は20時00分
< 6 / 9 >

この作品をシェア

pagetop