電車物語‐名古屋行き‐
乗車‐Ⅰ‐
少女の場合
少女は考えていた
どうしたらいいのだろう
どうしたら今の状況を変えられる?
どうしたら…父を取り戻せる?
「あーっ!もぉ!!」
白いブレザーに紺色のリボン、
金色のステッチが入ったブレザーと同色のプリーツスカートは
夜の街にあまり似つかわしくない
(悩んでも仕方ないや、
とりあえずお父さんに会おう)
彼女は一度だけ振り返ると
わき目もふらず切符売り場へと向かった
現在の時刻は20時00分