電車物語‐名古屋行き‐

彼女の場合



彼女は立っていた

たくさんの人達が急ぎ足で歩みを進める中、
静かに佇み何かを考えていた

(どうせなら…
もう一度だけ名古屋のあそこへ行きたい…)

ベージュのパンプスに明るい色のニット、
膝丈のスカートを見ると、彼女はOLのようだ


「…孝一さん……ごめんなさい」


そう一言呟き、彼女は改札を通った


現在の時刻は20時30分
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