雨風ささやく丘で
10月22日、午前6時18分。
ネットでの書き込みや深夜のテレビ番組ではよくオカルト話が放送され、近年ではネット関係のものが圧倒的に多い。その内、怨念を持った悪霊はネットを通じて呪うという話があとを絶たない。
そのことさえ知らなければ昨日の様にパソコンの問題ごときで、あれ程焦ることはなかっただろう。お陰様で命に関わるところだった。
このようにして他にもオカルト遊び、怪談話や呪いの動画がどうのこうのなどと種類は豊富である。オカルト話の世界は嘘か本当か区別がつかないのが現状。まさに信じるか信じないかは個人の自由。
私は大のオカルト好き。しかし最終的に夜は想像が膨らみ、何もないはずの暗闇に怖がって寝れなくなるのが掟。昨日の出来事もただの妄想の産物だったと思いたい。
一人暮らしのオカルト好きは苦労を伴うものだ…。
寝るまでしばらく時間がかかった。目は見開き、何度も何度もベッドで寝返りを繰り返しては周りを見渡し、不安になったりした。想像力が豊かな分、ダメージは結構大きいものだった。
結局は不安になっていることに対して疲れ果て、気付けば寝ていた。
ホラー映画を見た時と同じ。きっと今週中にきれいさっぱりと忘れ、また普通に寝るようになる。今日は休みの日でほんとうによかった。でなければ仕事は捗らなかったに違いない。
私はベッドから起きると、机にあったカレンダーにふと目を通した。20日に赤ペンで記された目印は早退した日。
一昨日は突然の体調不良で早退せざるをえなかった。不規則な食生活が原因だとしか言いようがない。
お陰様で週2回の持ち込み残業が週3回になるハメになった。しかも少ない給料から数時間引かれることに。思わず口から溜息がこぼれた。
テレビを点け、早朝のニュースを聞きながら私は朝食をゆっくり食べていた。いつもの出勤前なら慌ただしくてこのようにゆっくり食べれないけれど。
テレビはこの家で私以外に喋るもの。私が喋らなくたって、気にしないで勝手に喋ってくれる。結子に似ている。
しかし最近は殺人事件の話ばかりしかしない。毎回そういうニュースを聞く度、一日に一体どれぐらいの人が国内で死ぬんだろうとふと思うものだ。
私は携帯でアドレス帳を開き、数少ない連絡先から雄人を探した。
浮気発覚で別れて以降、私から雄人に電話やメールなどといった連絡はしていない。ちらちら向こうが送って話を引っ張ろうとするけれど、当然私は雄人にされたことを許してなどいない。だから話はすぐ終わらせるようにしていた。その結果連絡はもう8ヶ月もの間していない。
しかし昨日の出来事は確認だけでもしておきたかった。ついでに合鍵は返すように頼もう。
私はメールに内容を書くとそれを送った。
From:Isaki natuki
To:Ituki Yuuto
昨日もしかして私のアパートにいた?
End
付き合っていた頃のように数分待っても返事は来ない。
そして当然の様に返事を待っていた自分がいた。
心の隅では返事がすぐ来ることをまだ期待している。しかしそんな自分をバカバカしく感じ、悔しくもなった。
対抗し合う気持ちが抑えられなくなった私は、一旦携帯をカバンの中へ放り込んだ。服を着替え、気分転換に町へでかけることにした。
ネットでの書き込みや深夜のテレビ番組ではよくオカルト話が放送され、近年ではネット関係のものが圧倒的に多い。その内、怨念を持った悪霊はネットを通じて呪うという話があとを絶たない。
そのことさえ知らなければ昨日の様にパソコンの問題ごときで、あれ程焦ることはなかっただろう。お陰様で命に関わるところだった。
このようにして他にもオカルト遊び、怪談話や呪いの動画がどうのこうのなどと種類は豊富である。オカルト話の世界は嘘か本当か区別がつかないのが現状。まさに信じるか信じないかは個人の自由。
私は大のオカルト好き。しかし最終的に夜は想像が膨らみ、何もないはずの暗闇に怖がって寝れなくなるのが掟。昨日の出来事もただの妄想の産物だったと思いたい。
一人暮らしのオカルト好きは苦労を伴うものだ…。
寝るまでしばらく時間がかかった。目は見開き、何度も何度もベッドで寝返りを繰り返しては周りを見渡し、不安になったりした。想像力が豊かな分、ダメージは結構大きいものだった。
結局は不安になっていることに対して疲れ果て、気付けば寝ていた。
ホラー映画を見た時と同じ。きっと今週中にきれいさっぱりと忘れ、また普通に寝るようになる。今日は休みの日でほんとうによかった。でなければ仕事は捗らなかったに違いない。
私はベッドから起きると、机にあったカレンダーにふと目を通した。20日に赤ペンで記された目印は早退した日。
一昨日は突然の体調不良で早退せざるをえなかった。不規則な食生活が原因だとしか言いようがない。
お陰様で週2回の持ち込み残業が週3回になるハメになった。しかも少ない給料から数時間引かれることに。思わず口から溜息がこぼれた。
テレビを点け、早朝のニュースを聞きながら私は朝食をゆっくり食べていた。いつもの出勤前なら慌ただしくてこのようにゆっくり食べれないけれど。
テレビはこの家で私以外に喋るもの。私が喋らなくたって、気にしないで勝手に喋ってくれる。結子に似ている。
しかし最近は殺人事件の話ばかりしかしない。毎回そういうニュースを聞く度、一日に一体どれぐらいの人が国内で死ぬんだろうとふと思うものだ。
私は携帯でアドレス帳を開き、数少ない連絡先から雄人を探した。
浮気発覚で別れて以降、私から雄人に電話やメールなどといった連絡はしていない。ちらちら向こうが送って話を引っ張ろうとするけれど、当然私は雄人にされたことを許してなどいない。だから話はすぐ終わらせるようにしていた。その結果連絡はもう8ヶ月もの間していない。
しかし昨日の出来事は確認だけでもしておきたかった。ついでに合鍵は返すように頼もう。
私はメールに内容を書くとそれを送った。
From:Isaki natuki
To:Ituki Yuuto
昨日もしかして私のアパートにいた?
End
付き合っていた頃のように数分待っても返事は来ない。
そして当然の様に返事を待っていた自分がいた。
心の隅では返事がすぐ来ることをまだ期待している。しかしそんな自分をバカバカしく感じ、悔しくもなった。
対抗し合う気持ちが抑えられなくなった私は、一旦携帯をカバンの中へ放り込んだ。服を着替え、気分転換に町へでかけることにした。