ポンパドールの魔法
ある日のお昼休み、休憩スペースで、神野さんが同期の男性社員たちと談笑しているのを見かけた。

男の人同志、楽しそうに盛り上がってる姿は、高校生みたいで何だか可愛くて、見ていてホッコリしてしまう。



涼しげな表情で卒なく仕事をこなす姿もステキだけど、こういう顔もやっぱり好き。

軽く会釈をして、ドキドキしながら近くを通り過ぎた時、一瞬、耳を疑うような会話が聞こえた。



「お前は?」

「俺、産毛フェチ。」

「は?マジ?どこの毛?」

「おでこの産毛って無防備な感じがして、可愛くて触りたくなる。」

「何だよ、それ。普通、脚とか、うなじとか、そういうのだろ?」

「ダメ?」

「はははは.......何か、やばいって。」

「だって産毛ってさ、キレイに化粧してバリバリ仕事してる女性とかも、そこだけは生まれたまんまの姿見せてる、みたいな? そういうの良くない? 」



うははは......って、またみんなで楽しそうに笑ってるけど、「産毛」?

そんなところがチャームポイントって言う子、聞いたことない。

考えたこともないパーツ、言うんだなぁ.......
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