〜Dedicated to you〜 (短)
気がついたら
この場所に居た。



黒い服を
来た人達が
泣いている。



真ん中には
愛しい人の
写真。






ねぇこんなに
笑ってるじゃない。





それなのになんで
姿がないの?




隠れてないで
出て来てよ。





ァタシけいたと
キスがしたい。




手を繋ぎたい。




…また

あの場所に
行きたい…




2度と
叶うことは
ないことに
気付いているのに…


気付いているのに…








『お別れしましょ』



お母さんに手を引かれ


大きな棺の

小さな窓を
のぞきこむ。





変わり果てた
けいたの顔。





涙が
一気に溢れて来た。


認めざるを
得なかった。
愛しい人の死を。






『けいたぁぁぁあ!!!』




ァタシは棺に
しがみついて
泣きじゃくった。




その様子を
哀れに思ってか
周りからも
啜り泣きが
聞こえてくる。




ねぇケイタ約束
したじゃない?!


また会えるって
言ったじゃない?!



どうしてそうやって
ァタシを置いて行くの?




もっと聞かせて
ほしかったの。


ァタシは
あなたに確かに
愛されてたって。。。







お父さんに
引き離され
ァタシは
けいたから
離れた。





あの時ァタシが
もっと
けいたに注意
しとけば
こんな事故には
ならなかったかな?



ァタシのせいだ…




ァタシのせいだ…



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