青空の下を駆けた日々~小さな約束~



ーー私の気持ち受け取って?




「ねぇ、みんな。今日までほんっとにいろいろありがとう。ゆうゆうボールに誘ってくれて、ありがとう。私に新しい世界を見せてくれて、教えてくれて、ありがとう。今日の試合、最後まで諦めずに一緒に闘ってくれてありがとう」





ケイたちは、綾花の言葉を聞いている間、動けずにいた。


今日の試合を価値あるものにしてくれたのは綾花なのに、

いつも俺たちを支えてくれたのは綾花なのに、


こんなこと言われたのは初めて...



「...なぁに言ってんだよ」


うれしくて震える唇を動かしながら、ケイは綾花の頭にポンッと自分の手を乗せた。


「え?」


戸惑う綾花に構わず、くしゃっと頭をやさしくなでる。


「ありがとうを言うのはこっちだっての」


「どうゆう意味?」


「だからぁ...」



あ、やばい。泣きそう。


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