京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜



「すみませーん。中山さんいらっしゃいますか?」



桔梗と時雨は、桔梗の父の古い友人の中山さんの家を訪ねていた。



「あらあら、神楽さんの娘さん…それで、どのようなご用件で?」



中山さんの妻だという女の人が出てきた。



「神楽桔梗と言います。お見舞いに来たのですけど…」



桔梗が用件を伝えると、家を案内してくれた。



「やあ、桔梗くん…だったよね」



桔梗と時雨が通された応接間には、中山と名乗る人が待っていた。



「これ、どうぞ」



桔梗は、見舞いの品を渡す。

それからニ人は、桔梗の父と中山さんの若かった頃の話を聞いた。



「へぇ~。お父さんって、剣道強かったんですか」

「ああ。負けたところは一度も見たこと無いなあ…」


< 12 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop