京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「すみませーん。中山さんいらっしゃいますか?」
桔梗と時雨は、桔梗の父の古い友人の中山さんの家を訪ねていた。
「あらあら、神楽さんの娘さん…それで、どのようなご用件で?」
中山さんの妻だという女の人が出てきた。
「神楽桔梗と言います。お見舞いに来たのですけど…」
桔梗が用件を伝えると、家を案内してくれた。
「やあ、桔梗くん…だったよね」
桔梗と時雨が通された応接間には、中山と名乗る人が待っていた。
「これ、どうぞ」
桔梗は、見舞いの品を渡す。
それからニ人は、桔梗の父と中山さんの若かった頃の話を聞いた。
「へぇ~。お父さんって、剣道強かったんですか」
「ああ。負けたところは一度も見たこと無いなあ…」