京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜



「…な、何で時雨と同じ部屋?」



中山家に泊めてもらうことになったのはいいが、部屋が無いということで二人は同室になった。


「しょうがねぇだろ。泊めてもらってる身だし」

「そうだけど…」



桔梗が悩むのもお構い無しに、時雨は布団に潜る。

その時、辺りが一瞬白く光り、すぐ後に爆音のような音が落ちてきた。



「ひっ!?か、雷…?」



桔梗は雷が大の苦手。

小さい頃、目の前にあった木に落ちて、丸焦げになったのを見てからは、音を聞くのも苦痛の状態。



「え?」



桔梗が耳を塞いでしゃがみこんでいると、時雨が腕を引き、抱きしめた。



「え、ちょ…時雨!?」

「こうやっててやるから、早く寝ろよ。ぎゃーぎゃー言われたら寝れねーんだよ」



そう言うと、時雨は桔梗に布団を掛け、両手で桔梗の耳を塞いだ。

桔梗はというと、心臓が口から飛び出そうなくらい緊張していた。

桔梗は目を固くつぶり、無理矢理眠りについた。


< 14 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop