京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「…な、何で時雨と同じ部屋?」
中山家に泊めてもらうことになったのはいいが、部屋が無いということで二人は同室になった。
「しょうがねぇだろ。泊めてもらってる身だし」
「そうだけど…」
桔梗が悩むのもお構い無しに、時雨は布団に潜る。
その時、辺りが一瞬白く光り、すぐ後に爆音のような音が落ちてきた。
「ひっ!?か、雷…?」
桔梗は雷が大の苦手。
小さい頃、目の前にあった木に落ちて、丸焦げになったのを見てからは、音を聞くのも苦痛の状態。
「え?」
桔梗が耳を塞いでしゃがみこんでいると、時雨が腕を引き、抱きしめた。
「え、ちょ…時雨!?」
「こうやっててやるから、早く寝ろよ。ぎゃーぎゃー言われたら寝れねーんだよ」
そう言うと、時雨は桔梗に布団を掛け、両手で桔梗の耳を塞いだ。
桔梗はというと、心臓が口から飛び出そうなくらい緊張していた。
桔梗は目を固くつぶり、無理矢理眠りについた。