京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
昨日、梅はいつもの様に辻屋を手伝っていた。
そこへある一通の手紙が。
差出人は、金子のりたつ。
内容は、梅と結婚を前提にお見合いをしたい、といったものだった。
「金子ってあの、金持ちの?」
「うん…うちの店もごひいきにしてもらってるから、断れなくて…」
さらに話を聞いていくと、金子は二十五歳で、女と賭け事が好きなダメ人間らしい。
梅を気に入ったとかで、金子は本気で梅と結婚するつもりらしい。
「私、本当は嫌だけど…店のためだし…でも、明日のお見合い行きたくない…」
「梅ちゃん…」
不安そうな表情の梅を見て、桔梗は決心する。
「分かった。そのお見合い、私が潰してあげる!」