京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「梅ちゃん!」
梅の名を呼び、桔梗が出てきた。
「桔梗ちゃん!女の人が…」
「うん、あれ実は、優雅さんなんだ」
「え!?全然気がつかなかった…」
梅は驚く。
桔梗によると、優雅に女装をしてもらい、金子を誘惑する作戦らしい。
「今頃、優雅さん、金子をまいて家に帰ってるよ。金子は居ない女の人を探し続けるだろうよ」
その日、金子から結婚の話を取り消して欲しいと言われ、噂で金子が女を探していると聞いた。
桔梗の読み通りに。
今まで通り、辻屋は金子にひいきにしてもらっている。