京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
光と影
「…と、いうわけで…今日からお世話になります」
時雨に堪忍袋のおが切れた桔梗は、絲亀屋に来ていた。
「うちは全然ええよ。それより、ちょっと相談があるんやけど…」
菊李の相談とは、ある壺の事だった。
一週間程前に客が置き忘れていったらしいそれは、蓋に文字がびっしりと書かれ、開けられない様になっていた。
「これ…難しい術がかかってますね…」
「そうなん?うちにはよお分からんで…」
「大丈夫です。何とかします!」