京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
桔梗は壺に向かって九字を結ぶ。
「菊李さんは下がってて下さい!」
びりびりと札が破れ、中から黒い煙の様なものが出てきた。
それは部屋に広がる。
桔梗は、菊李の周りに結界を張った。
「菊李さん、そこから動かないで下さいね」
念を押すと、桔梗は煙にゆっくり近づく。
煙はだんだん部屋に充満してきた。
これは毒…?
それとも別の何か…?
すると、部屋の中央に煙が集まっていき、人の形になった。