京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「な、何これ…」
煙は女の形になり、口を開いた。
「ふふっ…会うのは初めてじゃのう…」
「あんた…誰なの…?」
女は、より鮮明に形ができていく。
「わらわの名は煙々羅。主様の使いだ」
「主様…?」
「主様はお前の力を欲している。わらわと一緒に来い。そして主様のものとなれ」
煙々羅は薄ら笑いを浮かべる。
「主様が誰だか知らないけど、行くつもりはないよ」
「…そうか…ではこれでもくらえ!」
煙々羅は手で黒い塊を作り、それを桔梗に向けた。