京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「唯の骨折だよ。優雅さんに見てもらってたの。お腹空いたなら、私が何か作るよ」
そう言い、桔梗は時雨の横を通り過ぎようとした。
「ちょっと待て」
「えっ…」
桔梗は時雨に腕を掴まれ、立ち止まった。
「微かだけど…瘴気を感じる。お前、何やってたんだ…?」
「…瘴気って…気のせいじゃない?」
桔梗は、そのまま強引に通り過ぎようとした。
しかし、時雨は桔梗の腕を掴んだまま離さない。