京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜



「何か隠してないか?腕、見せろ」

「ちょっと、何すんの!」



時雨は無理矢理、桔梗の腕に巻かれている包帯を解いた。

包帯の下には、痛みを和らげる為にびっしりと貼られた札。



「これ…どうしたんだよ」



時雨だけでなく、朔弥や蘭丸もが驚く。



「何でも、ない…」

「何でもない訳ないだろ!絲亀屋に行ってたんじゃないのかよ!」



時雨の怒鳴る声に、桔梗は思わず身がすくむ。

いたたまれなくなり、桔梗は力の限りで時雨を振り払い、自分の部屋に駆け込んだ。


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