京娘と居候。〜陰陽師其の壱〜
「じゃぁ、行ってきます」
「桔梗ちゃん、行ってらっしゃい。気をつけてね」
「うん。蘭丸、お留守番よろしくね」
お昼を少し回った頃、桔梗は出掛けようとしていた。
「あれ?桔梗ちゃん、どこに行くの?」
ひょっこり顔を出した優雅が桔梗に尋ねる。
「父の古い友人が病に伏せているらしいので、お見舞いに行くんです」
「…そっか、お父さんの事、聞けると良いね」
「…はい。夜遅くなると思うので、皆の事お願いします」
桔梗はお見舞いの品を持って、家を出発した。