緑の風と小さな光 第1部
ローエンがヴァシュロークに出逢った頃には、彼は既に「偉大な魔法使い」として知られていた。
金色の長髪に金色の瞳。歳はローエンより少し上だった。
全身から智慧の深さや強い魔力が滲み出ていた。一目で只者ではないとわかる。
見つめられると、全てを見透かされる気がする…そんな眼だった。
しかし、趣味は植物を育てる事と鉱物を集める事。のんびりした性格だった。
そんな彼が、お気に入りの「合歓《ねむ》の木」に水をやっていた、ある日の事。
突然、目の前に陽炎《かげろう》の様に女性が現れた。
これにはヴァシュロークも驚いた。
「驚かせてしまってすみません。私はリシュトワールと申します。」
銀髪の美しい女性だった。
顔立ちと名前から、おそらくこの国の王家の血を引いている者と思われた。
「ヴァシュローク様ですね。私はあなたの時代から約430年後の世界に生きている人間です。心だけで飛んで来ました。」
精神飛行という奴だろう。
金色の長髪に金色の瞳。歳はローエンより少し上だった。
全身から智慧の深さや強い魔力が滲み出ていた。一目で只者ではないとわかる。
見つめられると、全てを見透かされる気がする…そんな眼だった。
しかし、趣味は植物を育てる事と鉱物を集める事。のんびりした性格だった。
そんな彼が、お気に入りの「合歓《ねむ》の木」に水をやっていた、ある日の事。
突然、目の前に陽炎《かげろう》の様に女性が現れた。
これにはヴァシュロークも驚いた。
「驚かせてしまってすみません。私はリシュトワールと申します。」
銀髪の美しい女性だった。
顔立ちと名前から、おそらくこの国の王家の血を引いている者と思われた。
「ヴァシュローク様ですね。私はあなたの時代から約430年後の世界に生きている人間です。心だけで飛んで来ました。」
精神飛行という奴だろう。