緑の風と小さな光 第1部
手早く湯を沸かし、ガーゼを入れる。
自分の手も何度も洗って、消毒済みのガーゼに薬液を染み込ませ、セレの傷口を拭いた。
「うっ…」
セレは痛みに呻いた。
殺菌と止血の効果がある軟膏をたっぷりと塗って、その上に包帯を巻いた。
「これでいいわ。」
老夫婦もセレも、ピアリの手際の良さに呆気に取られていた。
「普通の人だったら縫合が必要な傷もあるけど、あなたは魔法使いだからこれで大丈夫だと思うわ。」
「ピアリ、君は医術の心得があるのか?」
「お父さんが魔法医だから時々手伝っていただけよ。」
「そうだったのか。」
まだ腕は動かなかったが、楽になった。
「ありがとう。痛まなくなったよ。」
「それは良かったわ。で?何の傷なの?」
「…森の中で転んだ…」
随分と無理のある説明だ…
老夫婦の前では話したくないのかもしれない、と思ったのでピアリは後で訊く事にした。
自分の手も何度も洗って、消毒済みのガーゼに薬液を染み込ませ、セレの傷口を拭いた。
「うっ…」
セレは痛みに呻いた。
殺菌と止血の効果がある軟膏をたっぷりと塗って、その上に包帯を巻いた。
「これでいいわ。」
老夫婦もセレも、ピアリの手際の良さに呆気に取られていた。
「普通の人だったら縫合が必要な傷もあるけど、あなたは魔法使いだからこれで大丈夫だと思うわ。」
「ピアリ、君は医術の心得があるのか?」
「お父さんが魔法医だから時々手伝っていただけよ。」
「そうだったのか。」
まだ腕は動かなかったが、楽になった。
「ありがとう。痛まなくなったよ。」
「それは良かったわ。で?何の傷なの?」
「…森の中で転んだ…」
随分と無理のある説明だ…
老夫婦の前では話したくないのかもしれない、と思ったのでピアリは後で訊く事にした。