緑の風と小さな光 第1部
午後にはセレの腕は動くようになっていた。
いくら魔法使いとは言え、治りの早さが尋常ではない。
「ロスターさん、せめて何か手伝います。」
まだ僅かな痛みはあったが、セレは何かやりたかった。
「いや、無理はするな。まだ休んでろ。」
老人は薪割りを始めた。
「それ位なら出来ます。無理じゃありません。」
「どれ、やってみろ。」
「はい。」
手斧を握って、バームクーヘンの様な木片に振り下ろす。手斧は中程まで食い込んだ。
そのままもう一度振り下ろす。綺麗に割れた。
「上手だな。やった事あるのか。」
「ええ。」
「…ところで、お前さん王族じゃないのか?」
セレは手を止めて振り向いた。
「いいえ。薪割りの上手い王族なんているはず無いでしょう。」
離宮で使用人と一緒にやった事があるのだった。
『それ面白そうだね。やらせて!』
初めて見る作業には何にでも興味を持った。
セレのこの一言が使用人達をどれだけ困らせた事か…
いくら魔法使いとは言え、治りの早さが尋常ではない。
「ロスターさん、せめて何か手伝います。」
まだ僅かな痛みはあったが、セレは何かやりたかった。
「いや、無理はするな。まだ休んでろ。」
老人は薪割りを始めた。
「それ位なら出来ます。無理じゃありません。」
「どれ、やってみろ。」
「はい。」
手斧を握って、バームクーヘンの様な木片に振り下ろす。手斧は中程まで食い込んだ。
そのままもう一度振り下ろす。綺麗に割れた。
「上手だな。やった事あるのか。」
「ええ。」
「…ところで、お前さん王族じゃないのか?」
セレは手を止めて振り向いた。
「いいえ。薪割りの上手い王族なんているはず無いでしょう。」
離宮で使用人と一緒にやった事があるのだった。
『それ面白そうだね。やらせて!』
初めて見る作業には何にでも興味を持った。
セレのこの一言が使用人達をどれだけ困らせた事か…