緑の風と小さな光 第1部
…が、
いつの間にかセレの方がエルグを羽交い締めにしていた。
力では敵わないかもしれないが、動きの速さではセレの方がずっと上だ。
セレは大地の魔法でエルグの動きを封じてから手を放した。
「こんな薬では全然効かないよ。お前は魔法使いの事はあまり知らない様だな。」
「この薬なら大丈夫だって言われたんだ…」
「相当弱い魔法使いになら効くかもな。残念ながら俺はそうじゃないみたいだ。それに縄で縛るのも無意味だ。」
「この縄にも魔法を封じる薬が染み込ませてあるって…」
セレは縄に触ってみた。
「これも弱いな。」
…灰色のツバメを操っている奴か?あのツバメから少し魔法を感じたな…
「何か理由があるんだろう?話してくれないか?」
「……」
「あのツバメなら近くにはいない。少なくとも俺の感知できる範囲には。」
エルグは泣き出した。
「弟の病気を治してくれるって約束なんだ。だから…」
「俺を捕まえて来い、と言われたんだな?」
エルグは頷いた。
「あいつにしか作れない薬なんだ。それを飲まないと弟はすごく苦しそうなんだ。」
弟が心配で仕方ない気持ちはセレにも良くわかる。
いつの間にかセレの方がエルグを羽交い締めにしていた。
力では敵わないかもしれないが、動きの速さではセレの方がずっと上だ。
セレは大地の魔法でエルグの動きを封じてから手を放した。
「こんな薬では全然効かないよ。お前は魔法使いの事はあまり知らない様だな。」
「この薬なら大丈夫だって言われたんだ…」
「相当弱い魔法使いになら効くかもな。残念ながら俺はそうじゃないみたいだ。それに縄で縛るのも無意味だ。」
「この縄にも魔法を封じる薬が染み込ませてあるって…」
セレは縄に触ってみた。
「これも弱いな。」
…灰色のツバメを操っている奴か?あのツバメから少し魔法を感じたな…
「何か理由があるんだろう?話してくれないか?」
「……」
「あのツバメなら近くにはいない。少なくとも俺の感知できる範囲には。」
エルグは泣き出した。
「弟の病気を治してくれるって約束なんだ。だから…」
「俺を捕まえて来い、と言われたんだな?」
エルグは頷いた。
「あいつにしか作れない薬なんだ。それを飲まないと弟はすごく苦しそうなんだ。」
弟が心配で仕方ない気持ちはセレにも良くわかる。