緑の風と小さな光 第1部
「そのままでは、世界に影響を与える程の力はありません。あなたの魔法が必要なのです。」

その鉱石にいくつもの魔法をかけ、魔法医学の技術を駆使して、初めて超大な力を持つ魔法石となる。

「あなたが大事にしているその合歓の木も、とても不思議な力を持っています。実《じつ》はその木があなたの事を教えてくれたのです。」


ヴァシュロークは小屋の前の「合歓の木」を魔法薬を使って大切に育てていた。

出来るだけ永く可愛らしいピンクの花を咲かせて欲しかっただけなのだが、魔法薬のせいで、いつの間にか魔力を宿していたらしい。

「その木も必要なのです。お願い致します。この時代にしか、そしてあなたにしか出来ないのです。」

ヴァシュロークは『やってみよう』と答えた。

鉱物の神秘的な力への興味も強かった。

「ありがとうございます。」

リシュトワールは深々と頭を下げた。

彼女は能力の限界までヴァシュロークの所に留まり、魔法石の造り方を仔細に伝えると、元の世界へと帰って行った。
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