緑の風と小さな光 第1部
セレとエルグは町から離れて荒れた土地を歩いていた。
「あとどの位だ?」
「もうすぐだ。目の前の丘を越えれば見えるよ。」
「じゃあ、そろそろやられたフリをしよう。」
「うん…悪いな…」
エルグはセレを後ろ手に縛り上げて、軽々と肩に担ぎ上げた。
「苦しくないか?」
「大丈夫。」
あの灰色のツバメが上空を飛んでいた。もう話さない方がいい。
二人は沈黙した。
その建物が見えて来た。
普通の小屋だ。ピアリが住んでいた小屋と大して変らない。
ただ、丸太ではなくレンガで出来ていた。扉は鉄製で、頑丈過ぎる感じがした。窓にも鉄格子がはめてあった。
「エルグです。奴を捕まえて来ました。」
鉄の扉を叩いてエルグが言った。
「ご苦労さん。良くやってくれた。今、開けるよ。」
重い扉が中から開いた。かんぬきが二重になっていた。
これでは外からは開けられないだろう。
「これが、あなたの言っていた緑の瞳の魔法使いです。」
セレを床に降ろした。
「これがね…。普通の人間と変わりないな。」
「あとどの位だ?」
「もうすぐだ。目の前の丘を越えれば見えるよ。」
「じゃあ、そろそろやられたフリをしよう。」
「うん…悪いな…」
エルグはセレを後ろ手に縛り上げて、軽々と肩に担ぎ上げた。
「苦しくないか?」
「大丈夫。」
あの灰色のツバメが上空を飛んでいた。もう話さない方がいい。
二人は沈黙した。
その建物が見えて来た。
普通の小屋だ。ピアリが住んでいた小屋と大して変らない。
ただ、丸太ではなくレンガで出来ていた。扉は鉄製で、頑丈過ぎる感じがした。窓にも鉄格子がはめてあった。
「エルグです。奴を捕まえて来ました。」
鉄の扉を叩いてエルグが言った。
「ご苦労さん。良くやってくれた。今、開けるよ。」
重い扉が中から開いた。かんぬきが二重になっていた。
これでは外からは開けられないだろう。
「これが、あなたの言っていた緑の瞳の魔法使いです。」
セレを床に降ろした。
「これがね…。普通の人間と変わりないな。」