緑の風と小さな光 第1部
「あたしの事、どう思ってるの!?

いっつも一人で待たせて心配させて!今回なんか黙って置いて行っちゃって!

どうしてあたしが目覚めるまで待っててくれなかったの?」


ピアリの大きな瞳からポロポロ涙がこぼれた。

「悪かった…」

年下の女の子をここまで怒らせてしまった事に、セレは少々ショックを受けていた。

…俺はこんなにも女性の心がわからない奴だったのか…

「セレなんか大っ嫌いよ!」

そう叫んでピアリはセレの胸に頬を押し付けて大泣きした。

セレの心臓がドクン、と音を立てた。

ピアリはローエンにいつもしていたのと同じ様に泣いただけだが、セレの心は揺れ動いてしまう。

「いいなあ。」

エルグが言った。

エルグはピアリとは正反対で恋愛には敏感だ。

「何がいいの?」

ルルグが不思議そうにきいた。

「そのうちお前にも解るさ。」

「そうなの?」

…そのうちっていつだろう?とルルグは思った。


しばらく泣いて、ピアリの不機嫌は治まった。

今回の事をみんなでピアリに話した。ルルグの事も。

「ルルグ、丘、ね。可愛いわね。」

ルルグの事を気に入った様だ。
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