緑の風と小さな光 第1部
2人はバシャバシャとお湯遊びに夢中になって、結局1時間も入っていた。
「茹《ゆ》で上がっちゃったわね。」
2人とも温まり過ぎてグッタリしていた。腰にタオルを巻いた姿で風に当たって休んだ。
エルグの身体が傷痕だらけな事にセレは気付いたが、何も言わなかった。
「次はピアリだ。」
「うん。」
セレは背を向けた。エルグ達にも釘を刺す。
「見るなよ。」
「わかってるって!」
ピアリも久しぶりの温泉だった。小さい頃にローエンと入ったきりだ。
熱めの湯に肩まで浸かる。身体がほぐれる。
「気持ちいいなぁ…」
自然に歌が出た。
古くから歌い継がれている自分の国の民謡だ。
「…白い花びら…雲を織り成し…季節を巡らせる…」
ピアリの歌声に全員が振り返った。
驚嘆。
『上手すぎる』のだ。
声の美しさはもちろんだが、優しく、切なく、情熱的に、心に響く…
みんなの視線を感じてピアリも振り返った。
「こっちを見るなーっ!変態ー!!」
男たちは我に返った。
「ごめん!」
「悪かった!」
ウンディーネの血を引いているせいか…とセレは思った。
「茹《ゆ》で上がっちゃったわね。」
2人とも温まり過ぎてグッタリしていた。腰にタオルを巻いた姿で風に当たって休んだ。
エルグの身体が傷痕だらけな事にセレは気付いたが、何も言わなかった。
「次はピアリだ。」
「うん。」
セレは背を向けた。エルグ達にも釘を刺す。
「見るなよ。」
「わかってるって!」
ピアリも久しぶりの温泉だった。小さい頃にローエンと入ったきりだ。
熱めの湯に肩まで浸かる。身体がほぐれる。
「気持ちいいなぁ…」
自然に歌が出た。
古くから歌い継がれている自分の国の民謡だ。
「…白い花びら…雲を織り成し…季節を巡らせる…」
ピアリの歌声に全員が振り返った。
驚嘆。
『上手すぎる』のだ。
声の美しさはもちろんだが、優しく、切なく、情熱的に、心に響く…
みんなの視線を感じてピアリも振り返った。
「こっちを見るなーっ!変態ー!!」
男たちは我に返った。
「ごめん!」
「悪かった!」
ウンディーネの血を引いているせいか…とセレは思った。