緑の風と小さな光 第1部
そんな速さでも、ピアリの身体はほとんど揺れていない。

「魔法かな?」

そうでもなければ無理だろう、とエルグは思った。

あんな走り方はエルグには出来ない。

…できたとしても、セレは俺にピアリちゃんを抱かせないだろう…

「いいなあ…」


3キロを10分足らずで駆け抜けた。

最初に見えた家で医者の事を訊いてみた。

「いるよ。すぐそこだ。」

それらしき家に急いだ。

ドアに「診療所」と書いた板が下がっていた。

「ここだ。」

ドアをノックする。

「すみません!ケガ人なんです!」
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