緑の風と小さな光 第1部
「ケガ人?」

出てきた医者は、眼鏡をかけた中年の男だった。

「胸を打ったみたいです…」

「診てみよう。こちらへ。」

診察室のベッドに、静かにピアリを横たえた。

「温泉で足を滑らせて、岩にぶつけたんで す。」

医者は打った箇所、脈や呼吸、目などを診た。

「肋骨が折れているみたいだ。…でも生命に 関わる事は無いよ。

 打った時のショックで、一時的に意識を  失っただけだろう。
 動かさない様にしてね。」


「はい…」
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