緑の風と小さな光 第1部
「ピアリ、気分は悪くないか?」

「うん、大丈夫。」

「何があったんだ?」

「お湯の中から、誰かの腕が出てきたの…」

「腕?」

「うん、これを盗ろうとしていたんだと
 思う。」

ピアリの手には、オパールの髪飾りがあった。

そこに、医者が様子を見に来た。

ピアリの状態を確かめながら、話に加わった。

「水の中から腕が出て金目の物を奪う
 っていうのは、この辺では時々あるんだ よ。」

医者の話では、ここ2年程、似たような事が起きている、と言う。
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