緑の風と小さな光 第1部
「こんなに美しい人が…信じられん…」

エルグはこれほど美しい女性を見たことが無かった。

「…感情というのはどうしようもない時がある…それだけだ。別に悪い人ではないよ。」

身体が思うように動かせない辛さはセレには良く解る。

「ところで薬草は?」

ピアリがきいた。

「そうだった。ちょっとピアリに見てもらいたい。」

ピアリは薬草を確かめた。

「合ってるわ。大したものね。」

「ルルグが見つけてくれたんだ。」

「良くやったわ。」

ピアリに褒められてルルグは嬉しそうだった。

「全部、良く洗って日陰に干すのよ。」

「わかった。」

2人は台所を借りて薬作りを始めた。



ノーラは早く大地の魔法を練習したい、とセレにせがんだ。


「大地の力を感じるには外の方がいいでしょう。」

セレはノーラを抱き上げて庭に出た。

まずは大地に直接触れて、自分に係る大地の力を感じ取る事からだ。

その力に同調したり、反発してみる。

セレの指導のもと、数時間で基本は身に付いた。

自分の身体を僅かに浮かせられる様になった。

「いい感じです。今日はこの辺にしておきましょう。」
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