緑の風と小さな光 第1部
「もしや先程の地震は…」
「はい。王子が抑えてくれたのです。」
そう、セレシュヤーデの事だった。
彼は王位継承者として生を受けた。しかし、生まれつき心臓が弱く、王位を継ぐのは無理と思われた。
ランディール家の重要な役割の1つは、この小さな王国を旱魃や冷害、大地震や大嵐などの自然災害から魔法で守る事だ。
セレの魔法は王族の中でもとりわけ強力だったが、必要な時にいつでも使える程の体力が無かった。日々の国務もこなせそうになかった。
そこで彼の弟が継承者となり、セレはひっそりと深い森の中の離宮で暮らしていた。
その離宮が震源地に近かったせいか、セレは誰よりも早くその地震を察知した。
『今までに感じた事の無い巨大なエネルギー』
だった。
…相当な被害が出る…出来るだけ抑えなければ…
この時、セレは22才の誕生日を迎える2ヶ月前だった。
既にかなり弱っていた。成長と共に症状が悪化する病気だった。
20才まで生きられるかどうか…と言われていた。ここまで保《も》ったのが不思議な位だった。
「はい。王子が抑えてくれたのです。」
そう、セレシュヤーデの事だった。
彼は王位継承者として生を受けた。しかし、生まれつき心臓が弱く、王位を継ぐのは無理と思われた。
ランディール家の重要な役割の1つは、この小さな王国を旱魃や冷害、大地震や大嵐などの自然災害から魔法で守る事だ。
セレの魔法は王族の中でもとりわけ強力だったが、必要な時にいつでも使える程の体力が無かった。日々の国務もこなせそうになかった。
そこで彼の弟が継承者となり、セレはひっそりと深い森の中の離宮で暮らしていた。
その離宮が震源地に近かったせいか、セレは誰よりも早くその地震を察知した。
『今までに感じた事の無い巨大なエネルギー』
だった。
…相当な被害が出る…出来るだけ抑えなければ…
この時、セレは22才の誕生日を迎える2ヶ月前だった。
既にかなり弱っていた。成長と共に症状が悪化する病気だった。
20才まで生きられるかどうか…と言われていた。ここまで保《も》ったのが不思議な位だった。