緑の風と小さな光 第1部
「…セレ、あたしも。」

ピアリもキスをねだった。

「えっ…」

セレは戸惑いを隠せない。

ピアリにはまだ恋心は無い。ただ、小さな頃には父にもヴァシュロークにも良くキスをしてもらったのに、ここ数年は誰にももらってないから、久しぶりに欲しいな…と思っただけだ。

自分の頬を指差した。

しかし…

「…いや…ちょっと…それは…」

ピアリに恋愛感情が無くても、セレはそうはいかない。

「何で?ノーラさんにはできて、何で私には駄目なの?」

何故セレが困っているのかピアリにはわからない。不満そうにセレを見た。


「…ピアリは本当にまだなんだなぁ…セレ苦労するなぁ…」

エルグだけが全部わかっていた。
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