緑の風と小さな光 第1部
急ぐ旅ではない。ピアリにももう少し養生させた方がいいだろう。
そう考えてセレは医者の勧めを受け入れる事にした。
そこに
「セレ、大変だ!」
エルグが食料品の買い出しから戻って来た。
「何かあったのか?」
「また盗みなんだよ!同じ手口で!」
「何だって!」
『水鏡』でまた物が盗まれたと言う。
「ノーラさんじゃないわ!」
「うん、絶対に違う!」
ピアリとルルグも否定した。
「本当に『水鏡』か?」
「みんなはそう思ってるぜ。」
「魔法は感じなかったな…」
近くで魔法が使われれば、セレにわからない筈は無い。
見張ってみる事にした。
セレはその付近で1番高い木に登り、てっぺんに立って下を見下ろす。
かなり広範囲に見渡せた。
「こんな所から見られてるなんて誰も思わないだろう。」
きっと尻尾を出す、と信じて待った。
3時間程経った頃。
1羽のカラスが民家の窓にスイッと飛び込んだ。
くちばしに光る物をくわえて出て来た。
「あいつか?!」
木から跳び降りてカラスを追った。
カラスごときに置いてけぼりを喰うセレではない。
見失う事無く、一定の距離を保ってついて行った。
そう考えてセレは医者の勧めを受け入れる事にした。
そこに
「セレ、大変だ!」
エルグが食料品の買い出しから戻って来た。
「何かあったのか?」
「また盗みなんだよ!同じ手口で!」
「何だって!」
『水鏡』でまた物が盗まれたと言う。
「ノーラさんじゃないわ!」
「うん、絶対に違う!」
ピアリとルルグも否定した。
「本当に『水鏡』か?」
「みんなはそう思ってるぜ。」
「魔法は感じなかったな…」
近くで魔法が使われれば、セレにわからない筈は無い。
見張ってみる事にした。
セレはその付近で1番高い木に登り、てっぺんに立って下を見下ろす。
かなり広範囲に見渡せた。
「こんな所から見られてるなんて誰も思わないだろう。」
きっと尻尾を出す、と信じて待った。
3時間程経った頃。
1羽のカラスが民家の窓にスイッと飛び込んだ。
くちばしに光る物をくわえて出て来た。
「あいつか?!」
木から跳び降りてカラスを追った。
カラスごときに置いてけぼりを喰うセレではない。
見失う事無く、一定の距離を保ってついて行った。