緑の風と小さな光 第1部
カラスが帰り着いたのは…
「城だ…」
小さな城だ。王城ではない。貴族の居城だろう。
再び近くの木に登り、城壁の中を覗き見る。
カラスはある部屋に入り、しばらくしてまた何処かへ飛んで行った。
「…あそこか。誰かいるな。」
窓際に出て来た人物には見覚えがあった。
「あの時の医者だ!」
ノーラの鞭打ちの場にいた医者だ。
近付いてみる。
魔法使いの気配は無かった。
木から城壁、そして屋根へと跳び移り、部屋の様子を伺った。
話し声が聞こえた。
「ノーラ様は明日、おいでになるのですね。」
「うん。今度こそ上手く行く。魔法使い用の牢に入れるから用意しておけ。」
「はい。」
城内に牢獄があるという事は、領民を裁く権利があるのだろう。
幾つかの村を束ねる立場の者と思われる。
ノーラの家よりも格が上らしい。
「まさかノーラが歩ける様になるとはね。」
「はい。魔法というのはすごいものですね。」
「だから今回、魔法を封じるのだ。」
「今度こそレビン様のものになられるでしょう。」
レビン…獅子。医者の名前だ。
誇り高き、ではなく、よろしくないプライドを持った獅子だ。
「城だ…」
小さな城だ。王城ではない。貴族の居城だろう。
再び近くの木に登り、城壁の中を覗き見る。
カラスはある部屋に入り、しばらくしてまた何処かへ飛んで行った。
「…あそこか。誰かいるな。」
窓際に出て来た人物には見覚えがあった。
「あの時の医者だ!」
ノーラの鞭打ちの場にいた医者だ。
近付いてみる。
魔法使いの気配は無かった。
木から城壁、そして屋根へと跳び移り、部屋の様子を伺った。
話し声が聞こえた。
「ノーラ様は明日、おいでになるのですね。」
「うん。今度こそ上手く行く。魔法使い用の牢に入れるから用意しておけ。」
「はい。」
城内に牢獄があるという事は、領民を裁く権利があるのだろう。
幾つかの村を束ねる立場の者と思われる。
ノーラの家よりも格が上らしい。
「まさかノーラが歩ける様になるとはね。」
「はい。魔法というのはすごいものですね。」
「だから今回、魔法を封じるのだ。」
「今度こそレビン様のものになられるでしょう。」
レビン…獅子。医者の名前だ。
誇り高き、ではなく、よろしくないプライドを持った獅子だ。