緑の風と小さな光 第1部
「人々はまたノーラがやったと思っている。今度は魔法封じは免《まぬが》れない。
これでもう足は動かせなくなる。
絶望に陥った彼女に僕が優しい言葉を囁やけば…」
「間違いなくノーラ様の心はレビン様のものになるでしょう。」
「うん、完璧だ!」
「明日は国の役人も来るのですか?」
「うん。私がノーラに縄をかけ、牢に入れるまでを見届ける者が必要なのだ。」
セレは生まれて初めて『人をぶん殴ってやりたい』と思った。
しかし、この医者が犯人だという証拠を見つけてノーラの無実を証明しなければならない。
まずは盗品を何処に隠しているかを確かめたかった。
「レビン様。お茶の時間でございます。」
女中らしき声がした。
「うん。今行く。」
人の気配が遠ざかる。
「よし…」
誰もいない事を確かめてセレは部屋に忍び込んだ。
落ち着きの無い色合いの絨毯が敷いてあった。
机にはノーラの写真。
その机に引き出しがあった。横1列に3つ並んでいる。
左から順に開けてみた。
1つ目は書類。
2つ目は薬類と香水。化粧品もあった。
3つ目…
「これだ。」
盗品と思われる貴金属が無造作に入っていた。
これでもう足は動かせなくなる。
絶望に陥った彼女に僕が優しい言葉を囁やけば…」
「間違いなくノーラ様の心はレビン様のものになるでしょう。」
「うん、完璧だ!」
「明日は国の役人も来るのですか?」
「うん。私がノーラに縄をかけ、牢に入れるまでを見届ける者が必要なのだ。」
セレは生まれて初めて『人をぶん殴ってやりたい』と思った。
しかし、この医者が犯人だという証拠を見つけてノーラの無実を証明しなければならない。
まずは盗品を何処に隠しているかを確かめたかった。
「レビン様。お茶の時間でございます。」
女中らしき声がした。
「うん。今行く。」
人の気配が遠ざかる。
「よし…」
誰もいない事を確かめてセレは部屋に忍び込んだ。
落ち着きの無い色合いの絨毯が敷いてあった。
机にはノーラの写真。
その机に引き出しがあった。横1列に3つ並んでいる。
左から順に開けてみた。
1つ目は書類。
2つ目は薬類と香水。化粧品もあった。
3つ目…
「これだ。」
盗品と思われる貴金属が無造作に入っていた。