緑の風と小さな光 第1部
どうやら、ノーラが目当ての様だ。


「何年待ったかな?
 4年…いや5年だな。収穫祭の時に初めて 見たんだ。

 何て美しい女性だろう、と驚いた。

 でも、婚約者もいたし、僕の所に来て
 くれるとは思えなかった。」


「私は、諦めてはなりません、と申し上げ ました。」


「そう。チューレが言った通りだった。
 何と、落馬して僕の診療を受けに来てく れた。」


「運命、ですな。それも、レビン様の医師 としての名声があったからです。」


「仕事は真面目にやるもんだね。…いやぁ
 本当に驚いたよ。

 足が不自由になった事で婚約も破棄に  なったと言うし…これはチャンスだ、と  思った。」

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