緑の風と小さな光 第1部
「今更何を言ってるの?

私が旅に出たかったのはお母さんに会いたいから、というだけではないわ。

何が起こるかわからない毎日が楽しいのよ!」

…何だ、セレとピアリはそっくりじゃないか…とエルグは思った。

「…それに、これ…。」

ピアリは以前セレが渡したペンダントを手に取った。

「気に入っているのよ。ありがとう。…あなたは私を心配してくれているじゃない。それだけで充分よ。」

ピアリは全く気付いていないが、何気ないこんな言葉がセレの心を鷲掴みにする。

「…良くわかった。それなら何の問題も無い。一緒に旅を続けよう。」

「やった!」

「良かった!」

ピアリとルルグは手を取り合って喜んだ。

「では、ローエンに手紙を書かなくてはね。」

ピアリが元気な事や新しい仲間が増えた事。旅が楽しく順調な事…

ローエンが安心できる様な文章にまとめよう…

「私、みんなと離れたら寂しくて死んでしまうかもしれないわ。」

ピアリが真面目な顔で言った。

「それは大袈裟だな。」

セレはそう言ったが

『寂しくて死にたくなるのは俺かもしれない。』

と胸の中では呟いていた。




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