緑の風と小さな光 第1部
翌日もセレ達は工場で働いていた。

「実は俺も、あの辺に何か居るって感じたんだ。」

エルグが言った。獣人の感覚も普通の人間よりは鋭い。

「お前もか。何だろうな?あんな大きな生き物は知らないな。」


そこに1人の少年が通りかかった。やはりここの従業員だ。

黒髪なのに金色の瞳。背は高いのだが、あどけない感じがする。

セレと目が合った。ジッと見つめて来る。

そして

「…魔法使いは嫌いだ。」

いきなりの一言。

セレもエルグも驚いた。

少年はすぐに立ち去った。

「何だ…?」

「感じの悪い奴だな。セレ、気にするな。」

「ああ。…エルグ、彼も人間じゃないと感じないか?」

「うん。俺たち獣人に似ているな。でも、少し違う。」

「…魔法使いでもなさそうだ。」
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