緑の風と小さな光 第1部
何だ?と見ている間に小麦の倉庫から炎が上がった。

セレも誰かの魔法を感じて外に出た。

「火事か!」

2人は現場に駆けつけた。

セレは風の魔法で火の周りに真空の空間を作って酸素を遮断した。

火は一瞬で消滅した。

発見と消火が早かったので大きな被害は無かったが、小麦は20袋程が駄目になった。

煙に気が付いて近所の人達が出て来た。ラドニーもやって来た。

「またか…」

ここのところ、機械を壊されたり小麦を盗まれたり、嫌がらせと思われる出来事がよくあるのだ。

「最初は親父がやっているのかと思ったけど、あの人はやるんだったら僕の目の前でやるだろう。」

他には心当たりは無かった。

エルグはセレにだけ、ジンの姿を見た事を話した。

「確かにジンだった。倉庫から走り出て来たんだ。」

「あの子がやったとは思えないが…」

しかし、気になるのは確かだ。

「明日、後をつけてみよう。でも俺じゃない方がいいな。あの子は魔法使いの気配には敏感そうだ。」

セレはエルグを行かせる事にした。
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