緑の風と小さな光 第1部
セレは抑え込まれた。
力ではエルグに叶わない。セレに馬乗りになり首を絞めてきた。
「…魔法書はどこだ?」
焦点の合わない目でエルグが言った。
目的は魔法書か…
「く…」
エルグに魔法は使いたくないが、仕方ない。セレは短い呪文を唱えた。
エルグの巨体が1メートル程浮いた。
動けるようになったセレはエルグの溝落ちに思い切り拳を叩き込んだ。
「悪い、エルグ。」
セレの力も尋常ではない。
普通の人間なら命を落とす程の強さだが、エルグを止めるには丁度いい。
セレの首を絞めていた手が離れた。
セレはエルグを地面に降ろした。
エルグの目が元通りになった。これ位で正気に戻るのだから、魔法ではなく妖術とか催眠術の類いだろう。
「ん…?」
寝ぼけ顔のエルグにセレは言った。
「エルグに襲われるとはね。」
「俺が?セレを?」
エルグは腹をさすっている。
「ああ。操られたんだろうな。驚いたよ。」
「俺がそんな事を…それはすまなかった。…俺じゃなくてピアリだったら良かったのにな。」
「そういう冗談はやめろ。」
「…?あたし、そんな事しないわ。」
「!」
力ではエルグに叶わない。セレに馬乗りになり首を絞めてきた。
「…魔法書はどこだ?」
焦点の合わない目でエルグが言った。
目的は魔法書か…
「く…」
エルグに魔法は使いたくないが、仕方ない。セレは短い呪文を唱えた。
エルグの巨体が1メートル程浮いた。
動けるようになったセレはエルグの溝落ちに思い切り拳を叩き込んだ。
「悪い、エルグ。」
セレの力も尋常ではない。
普通の人間なら命を落とす程の強さだが、エルグを止めるには丁度いい。
セレの首を絞めていた手が離れた。
セレはエルグを地面に降ろした。
エルグの目が元通りになった。これ位で正気に戻るのだから、魔法ではなく妖術とか催眠術の類いだろう。
「ん…?」
寝ぼけ顔のエルグにセレは言った。
「エルグに襲われるとはね。」
「俺が?セレを?」
エルグは腹をさすっている。
「ああ。操られたんだろうな。驚いたよ。」
「俺がそんな事を…それはすまなかった。…俺じゃなくてピアリだったら良かったのにな。」
「そういう冗談はやめろ。」
「…?あたし、そんな事しないわ。」
「!」