緑の風と小さな光 第1部
人々が立ち去るのを待って、ヴァシュロークはセレを墓の下から掘り出した。
替わりの遺体を埋めて、セレを小屋に運び、魔法石の力を借りながら心臓に手術を施した。
「これでセレの心臓は常人と変わらず働いてくれる。」
ヴァシュロークはセレが元気になって動き回る姿を早く見たいものだと思った。
仮死状態のセレを草原に隠し、誰にも見つからない様に魔法をかけた。
しかし、セレの目覚めを待たず、その1年後にヴァシュロークは死を迎えてしまった。
「!…ヴァッシュ様が亡くなられた…?!」
『ヴァッシュ』セレはヴァシュロークの事をそう呼んでいた。
彼の死は、セレには大きな衝撃だった。
両親と離れて暮らしていたセレにとって、ヴァシュロークは父親とも兄とも慕う存在だった。
人柄も、容姿も、魔法の力も、全てに於いて憧れでもあった。
そのヴァシュロークが、もういないとは…
しばらく目を伏せて沈黙していたが、胸に右手を当てて呟く様に言った。
「…ヴァシュ様が遺してくれた魔法石なのだな…しかし、430年も俺はどうやってこの石を守るんだ?」
替わりの遺体を埋めて、セレを小屋に運び、魔法石の力を借りながら心臓に手術を施した。
「これでセレの心臓は常人と変わらず働いてくれる。」
ヴァシュロークはセレが元気になって動き回る姿を早く見たいものだと思った。
仮死状態のセレを草原に隠し、誰にも見つからない様に魔法をかけた。
しかし、セレの目覚めを待たず、その1年後にヴァシュロークは死を迎えてしまった。
「!…ヴァッシュ様が亡くなられた…?!」
『ヴァッシュ』セレはヴァシュロークの事をそう呼んでいた。
彼の死は、セレには大きな衝撃だった。
両親と離れて暮らしていたセレにとって、ヴァシュロークは父親とも兄とも慕う存在だった。
人柄も、容姿も、魔法の力も、全てに於いて憧れでもあった。
そのヴァシュロークが、もういないとは…
しばらく目を伏せて沈黙していたが、胸に右手を当てて呟く様に言った。
「…ヴァシュ様が遺してくれた魔法石なのだな…しかし、430年も俺はどうやってこの石を守るんだ?」