緑の風と小さな光 第1部
「正体不明の不気味な魔法使いだろ?」

エルグが言った。

「そうだった。」

セレは笑った。

その笑顔がジンには何故かとても心強く感じられた。

「それからピアリは薬草には詳しいんだ。こういう事なら頼りになる。」

「あら。他では頼りにならないみたいな言い方ね。」

「いや、他にもある。美味しい物を選ぶ時にも頼りになる。」

「うん、そうだな。」

エルグが相槌を打った。

「失礼ね!」

みんなが言いたい事を言い合い、笑い合っている。

…これだ…僕が欲しいと思っているものはこれなんだ。長い間忘れていたけど…これを手に入れる為には…

ジンの中で、ある決意が固まった。
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