緑の風と小さな光 第1部
ハンとラドニーの口論が聞こえてくる事もあった。
「領主様のお許しが出たんだ。すぐにでも工場の建設を始めるよ。」
「勝手にやればいい。ただし俺はこの風車小屋を手放す気は無いからな。」
「ここが1番いいんだよ。小麦を運び込むのにも便がいいんだ。もちろん、相応の金は払うよ。」
「金の問題じゃない。この土地で穫れた小麦にはこの風車がいいんだ。」
「それなら場所を移せばいいじゃないか。」
「風はどうするんだ?この場所だからいい風が来るんだ!」
いつもこんな感じで話は平行線だった。仕方なくラドニーは自宅の近くに最初の工場を建てた。
ルーチェはこの2人の仲の悪さがずっと心配だった。
ジンにその悩みを打ち明けた。
「二人とも良い人なのに…。風車小屋の事になるとぶつかってしまうの。何とかならないかしら?」
ジンもいい案は浮かばなかった。
「だから工場で働く事にしたんだ。仲直りのヒントがつかめるかもしれないと思って。」
「何かわかったのか?」
「まだ無いんだ。…ただね、機械の臼で挽いた粉は美味しくない。昔からここの小麦を食べているからわかるんだ。」
民家の戸口にある白い粉は小麦粉なんだ、とジンが言った。
「領主様のお許しが出たんだ。すぐにでも工場の建設を始めるよ。」
「勝手にやればいい。ただし俺はこの風車小屋を手放す気は無いからな。」
「ここが1番いいんだよ。小麦を運び込むのにも便がいいんだ。もちろん、相応の金は払うよ。」
「金の問題じゃない。この土地で穫れた小麦にはこの風車がいいんだ。」
「それなら場所を移せばいいじゃないか。」
「風はどうするんだ?この場所だからいい風が来るんだ!」
いつもこんな感じで話は平行線だった。仕方なくラドニーは自宅の近くに最初の工場を建てた。
ルーチェはこの2人の仲の悪さがずっと心配だった。
ジンにその悩みを打ち明けた。
「二人とも良い人なのに…。風車小屋の事になるとぶつかってしまうの。何とかならないかしら?」
ジンもいい案は浮かばなかった。
「だから工場で働く事にしたんだ。仲直りのヒントがつかめるかもしれないと思って。」
「何かわかったのか?」
「まだ無いんだ。…ただね、機械の臼で挽いた粉は美味しくない。昔からここの小麦を食べているからわかるんだ。」
民家の戸口にある白い粉は小麦粉なんだ、とジンが言った。