緑の風と小さな光 第1部
翌日にはセレは起き上がれるようになっていた。

手足もしっかりした様に感じたので立ってみた。少しふらつくが、何とか立てた。

歩いてみようと思った。

「わ…!」

片足を踏み出しただけで、呆気なく倒れた。

「何をやってるの!」

ピアリが来た。

「歩けると思ったんだけど…」

「馬鹿ね!」

セレが思っているよりもダメージは大きかったようだ。床からは起き上がれたものの、1人ではベッドに戻れなかった。

結局、ピアリの肩を借りた。

「細いくせに重いんだから!おとなしくベッドにいてちょうだい!」

セレは背が高いし骨格もしっかりとしているので、見た目の割には重い。少なくともピアリには。

「…わかった…」

そんな所に、エルグとルルグがちょうど来た。

「やっぱりピアリには勝てないんだな。」

エルグが笑いながら言った。

ジンとルーチェも来た。

「昨日よりもずっと元気そうだね、セレ。」

「ああ。君の血は効くね。ありがとう。」

「僕もセレにお礼を言いたい。ルーチェと心が繋がったのはセレのおかげだ。」

「?」

…2人の仲を取り持つような事を何かしたっけ…?
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