緑の風と小さな光 第1部
ローエンの背後から女性の声がした。
「セレ様、あなたを試しました。私の魔法です。ヴァシュロークに頼まれたのです。」
若い声ではない。
「あなたの魔法が思ったより強くて、ローエンを守り切れないかと正直なところ少し焦りました。…私はシエナ。ヴァシュロークの昔馴染みです。」
現れた女性は痩せぎすで背が高かった。
美しいが眼が鋭い。
年齢はローエンと同じ位に見えるが、ローエンよりもずっと強い魔力を感じる。
シエナ、とは「愛」という意味だ。
「本当にあなたにフィズを託しても大丈夫かどうかを見極めて欲しい、と言われていたのです。」
セレとピアリは絶句していた。
シエナは続けた。
「あのクレイドールにやられるようでは力が無さ過ぎて話になりません。もちろん失格です。」
あの泥人形はシエナが操っていたのだ。
「ローエンの死で自分を見失うのも失格。その程度の精神力ではフィズと共に生きて行くのは無理でしょう。」
「セレ様、あなたを試しました。私の魔法です。ヴァシュロークに頼まれたのです。」
若い声ではない。
「あなたの魔法が思ったより強くて、ローエンを守り切れないかと正直なところ少し焦りました。…私はシエナ。ヴァシュロークの昔馴染みです。」
現れた女性は痩せぎすで背が高かった。
美しいが眼が鋭い。
年齢はローエンと同じ位に見えるが、ローエンよりもずっと強い魔力を感じる。
シエナ、とは「愛」という意味だ。
「本当にあなたにフィズを託しても大丈夫かどうかを見極めて欲しい、と言われていたのです。」
セレとピアリは絶句していた。
シエナは続けた。
「あのクレイドールにやられるようでは力が無さ過ぎて話になりません。もちろん失格です。」
あの泥人形はシエナが操っていたのだ。
「ローエンの死で自分を見失うのも失格。その程度の精神力ではフィズと共に生きて行くのは無理でしょう。」